3K職場で一番ラクな人 - 某JRの愛すべき社員

 「誰も語りたがらない 鉄道の裏面史」

佐藤 充 5年ぶりの書き下ろし!
107 名の死者を出した「福知山線脱線事故」、政治家の思惑がからみあう「新幹線の利権」、鉄道が買われる「阪神電鉄村上ファンド買収事件」、東京を襲った未曾有のテロ「地下鉄サリン事件」、首都圏で起こった乗客の暴動「上尾事件」、初代国鉄総裁の謎の死「下山事件」……
2015年5月15日発売
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3K職場で一番ラクな人 - 某JRの愛すべき社員

鉄道の現場で、いちばんの3K職場は「保線」のような気がする。

(3Kとは「きつい・汚い・危険」の意味。念のため。)

それはなぜだろうか。


 その1「作業が深夜に行われる」

鉄道の世界で泊まり勤務は付き物だが、駅や乗務員、指令員の仕事は、基本的に終電とともに終わる。
つまり、終電から初電までの一番眠い時間に仮眠が取れるというわけだ。
ところが保線、電力は、その一番眠い時間に作業しなければならない。

そして夜間作業がある場合、

 8:30〜:通常勤務

 23:00〜:夜間勤務

のように、1日に2回の出勤になる。
夕方に通常勤務が解放になり、夜の仕事が始まるまでに夕食と仮眠。
そんな時間に眠れと言われてもね…。


 その2「列車にはねられる」

列車は自動車と違い、工事区間を迂回できない。
作業員の方が、ダイヤを確認し、見張り員を立てて、列車の来ない隙に作業することになる。

しかし、臨時列車を忘れていてはねられることもあるし、吹雪のときなど、視界もなく、音も消える中、突然現れる列車に轢かれることもある。
事故は減ってもなくならない。


 その3「体に悪い作業」

技術は進んでも、鉄道の軌道構造に大きな進歩はない。レールを枕木が支え、枕木をバラスト(砂利)が支える。
バラストを新たに盛った後、強い振動でバラストを慣らす作業があるが、これがきつい。

マルチプルタイタンパーという保線用の車両もあるが、微調整や、やりにくいところは、振動を与える機械を使って人が慣らす。
強力な振動を体に受ける作業は、当然体に悪い。


こんな3K職場だが、鉄道会社の社員は恵まれている。

保線の世界では、外注化が進んでいるので、「体に悪い作業」は鉄道会社の社員はやらない。(その3で書いた作業も、業者の仕事。)

深夜勤務はつらく、会社の中では裏方だが、3K仕事はどんどん外注。
鉄道会社の社員は、発注、契約、監督に仕事が集約され、給料は業者より高い。

こんな3K職場で働くなら、絶対に鉄道会社の社員がいい。

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 23:23 | Comment(4) | TrackBack(0) | 某JRの愛すべき社員たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ってことは、保線中に誤って車両に轢かれるのも、ほとんどは外注先からやって来る労働者、という事になるのですか?
Posted by 野口 博 at 2005年12月04日 22:08
確実に言えることは、事故の内訳で、協力会社の割合が増えている
ということです。
全体の割合も増えていますが、第一線ほど外注化が進んでいる
影響もあるでしょう。

もちろん、鉄道会社社員の事故もあります。
外注化は地域差がありますし、社員の現場作業もまだまだあります。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2005年12月05日 22:44
大手私鉄に勤務し、保線現場作業を数年経験し現在は事務(内勤)をしています。
保線作業から勤務実態、組合との兼ね合いまで、大半の事は知っていると思います。
疑問や質問がありましたらコメントをどうぞ。
答えられる範囲ですが、回答します。
Posted by at 2006年12月31日 16:14
上の者です。
名前を書き忘れました。
Posted by 輸送指令 at 2006年12月31日 16:16
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