モーターマンとななめ45°

 「誰も語りたがらない 鉄道の裏面史」

佐藤 充 5年ぶりの書き下ろし!
107 名の死者を出した「福知山線脱線事故」、政治家の思惑がからみあう「新幹線の利権」、鉄道が買われる「阪神電鉄村上ファンド買収事件」、東京を襲った未曾有のテロ「地下鉄サリン事件」、首都圏で起こった乗客の暴動「上尾事件」、初代国鉄総裁の謎の死「下山事件」……
2015年5月15日発売
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モーターマンとななめ45°

土曜7時のゴールデンタイムに放送しているので、「ザ・イロモネア」というお笑い番組をご存知の方も多いだろう。(この記事は2008年8月に書きました)
9月20日放送では、車掌ものまねで人気の「ななめ45°」が「ザ・イロモネア」に初挑戦し、大健闘。日常会話の返事を「車掌独特の口調」で返すボケが大ウケした。

最近は自動放送が増え、実際の車掌、駅員が、独特な放送をするのを耳にする機会は減ったが、これだけウケているのを見ると、まだまだ多いのだろう。

こういう独特な放送をする人、もちろん日常会話は普通に話す、普通のおじさんである。(車掌のかばんである)胴乱(どうらん)を下げ、行路表でその日の勤務を確認し、

「今日はキツいな。これ(この行路)、折り返しも短いし、夜まで息つく暇もないんだよな〜。」

なんて愚痴をこぼしながらも、結構車掌の使命感を感じていて、イソイソと出場。
乗務員室に入るやいなや、

「ご乗車、ありがとうございます。この電車は・・・。」

と、さっそくマイクを片手に節を回す。
そんなに張り切らなくても・・・。かえって耳障りで迷惑なのですが・・・。
と、客はもとより、同僚ですら心の中で思っているのだが、忠告できる人はいない。そりゃそうでしょう。これだけ張り切っているのだから、その腰を折れる人はいない。

独特な節回しは、一回つけてしまうとそれがリズムになってしまい、矯正は困難になる。車掌の仕事は、そもそも鉄道現業の中でも単調で、
 @発車時刻と信号を確認
 A「ドアが閉まります」と放送
 B笛を(吹くところでは)吹きながら、安全を確認してドア閉め
 C列車がホームを抜けるまで、安全監視
 Dホームを抜けたら、今度は後ろを見て、もう一度ホームの安全確認
 E次の駅を「車内放送」で案内
 F次の駅に着いたら、停止位置を確認し、ドア開け

をずーっと繰り返すのである。勤務開始から勤務終了まで。来る日も来る日も。運転士や管理職にならなければ、40年間も続けることになる。

話が逸れたが、これだけ単調な仕事なので、頭で考えて行動する前に体が覚えてしまい、無意識でマイクを持ち、無意識で放送できてしまう。次の駅がどこか、頭で把握しているのではなく、体が把握するのである。
この放送に節がつき、一連のリズムの中に組み込まれれば、矯正できなくなるのもわかるだろう。

さて、この車掌独特の放送を「ネタ」にして、世に流行らせたのは「ななめ45°」が初めではない。
車掌DJ(モーターマン)として、車内放送をテクノポップにのせ、もっともっと完成度の高い(もっともっとマニア度の高い)ものを、
「SUPER BELL”Z(スーパーベルズ)」が作っている。
このモーターマン、知っている人は少ないだろうが、2000年ごろは結構流行って、「第33回全日本有線放送大賞 新人賞」を受賞したほどだ。
モーターマンは、車内放送もリアルだが、シンセサイザーなどで駅や車両の音までリアルに再現し、さらにパロディー化していて、非常にマニアックな出来である。

「あっ、あっ、あっ、秋葉原・・・、山、山、山、山手線の・・・」
(知っている人はどれくらいいるかな?)

私も、当時モーターマンにはニヤリとさせられ、ちょっと気に入っていたのだが、すでに過去の人かと思っていた。しかし、驚いたことに活動はずっと続いていて、AMAZONで検索しても20件近くのCDがヒットし、なんと、近日発売の「AIR TRAIN2」なるCDもある。マニアックだが、それだけに根強いファンがいるのだろうか。

さて、最後に人気若手芸人「ななめ45°」のDVDの他に、マニアックな車掌DJのCDを並べてみよう。
私は鉄道マニアではないのだが、3年以上も「鉄道業界の舞台裏」を書いていれば、ある種のマニアになったような気がしてきた。

なかなか楽しいね、完成度の高いマニアな世界。



 SUPER BELL”ZのCD




・ AIR TRAIN2 (CD - 2008)
・ 東横特急 (CD - 2008)
・ MOTO(e)R MAN 鉄子の旅 (CD - 2007)
・ AIR TRAIN (CD - 2007)
・ The Very Best of MOTOR MAN Vol2 (CD - 2007)
・ The Very Best of MOT(e)R MAN (CD - 2005)
・ かいじ101号 (CD - 2004)
・ MOTO(e)R MANでGO! (CD - 2004)
・ 鉄道戦隊レオ☆レンジャー (CD - 2003)
・ MOTOR MAN Vol.7 江ノ電&陸羽東線 (CD - 2003)
・ MOTOR MAN はやて&埼京線WATERFRONT (CD - 2002)
・ MOTER MAN 山手線“Loop Complete” (CD - 2002)
・ MOTOR MAN 中央線/新幹線ひかり (CD - 2002)
・ Formula Man (CD - 2001)
・ MOTOR MAN Vol.3(仙台編&京浜急行) (CD - 2001)
・ スーパーベルズファン (CD - 2000)
・ MOTOR MAN Vol.II(大阪編&上野発最終便) (CD - 2000)
・ MOTOR MAN (CD - 2000)




 ななめ45°のDVD




・ ななめ45゜ TRIO DE CARNIVAL! (DVD - 2005)
・ ななめ45°「TRIO DE CARNIVAL! ~セカンド・インパクト~」 (DVD - 2007)
・ ななめ45゜ TRIO DE CARNIVAL~サード・アタック~ (DVD - 2007)


posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 19:04 | Comment(3) | TrackBack(0) | 鉄道関連の本と音楽とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
駅に配属されて数ヶ月が経ちましたが、今度の会社はホームに立つ時間がとても長いので、ホームで放送する機会が多くなるのですが、自分でもわかるくらい独特な「駅員の放送」の声になってしまいます。

停車駅、乗り入れ先、接続…いつの間にか体が覚えてしまっていて、特に意識すること無く放送しています。客にとって聞き取りやすい放送になって炒るかどうかは別問題ですが…
Posted by くらげ駅員 at 2008年09月29日 22:22
くらげ駅員さん

お久しぶりです。

そうですよね、ずっと放送していると体が覚えてしまいますよね(笑)
「駅員の放送」も、放送する側は調子がついてやりやすいですからね。
極端じゃなければ、いいんじゃないですか。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2008年10月01日 08:55
私が利用する路線には
モーターマンや、ななめ45°みたいなしゃべり方をする車掌はいませんでした。皆さん普通で丁寧な放送をされていました。そのため彼らが作り上げた「車掌のアナウンス」像には違和感を持っていました。特にななめ45°の方は、私の兄が聞いているのを少し聞いただけで嫌になりました。歌詞にデリカシーが無い様に感じたからです。「〜駅で人身事故…」って、
現場で遭遇した職員に失礼じゃないか!
と、聞いて以来ずっと感じていました。

ただ、別の意味で「独特な」しゃべり方をする車掌さんはいました。
Posted by すっぱいぶどう at 2009年01月23日 02:10
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