雪の日のカンテラ(1)

 「誰も語りたがらない 鉄道の裏面史」

佐藤 充 5年ぶりの書き下ろし!
107 名の死者を出した「福知山線脱線事故」、政治家の思惑がからみあう「新幹線の利権」、鉄道が買われる「阪神電鉄村上ファンド買収事件」、東京を襲った未曾有のテロ「地下鉄サリン事件」、首都圏で起こった乗客の暴動「上尾事件」、初代国鉄総裁の謎の死「下山事件」……
2015年5月15日発売
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雪の日のカンテラ(1)

今年(2006年)の寒波はすごい。
雪国ばかりではなく、小笠原のような南国まで雪が降ったりしている。

今回は、雪が少ない地域で雪が降った場合、鉄道の舞台裏がどういう状態になるのかを紹介しよう。

雪の少ない地域で雪が降ると、鉄道というシステムは非常に弱い。
(自動車も弱いが。)

ダイヤは間引きされ、そのうえいたるところで列車が止まる。
夜中に降る雪ならともかく、夕方あたりから降り始める雪だと、帰宅者は足を奪われ、影響も非常に大きい。

「どうしてこんなに電車が止まるんだ!」

と怒りの声も聞こえるが、舞台裏もかなりつらい。


雪はいたるところでトラブルを引き起こすが、その第一が「ポイント」。
レールの分岐点で動作する「ポイント」である。

言うまでもないが、鉄道は進路制御をインフラ側のレールで行うシステムである。

これが非常に原始的な仕組みで、稼動部がむき出しになっている。

雪の日はこのポイントがまずネックになる。
稼動部に雪が落ちたり、あるいは(車両がベタ雪とともに運んでくる)バラストが落ちて稼動部に挟まると、「ポイント不転換」。

雪の日は、このポイントを守ることから始めなければならない。

ポイントがたくさんあるところと言えば、ターミナル駅や車庫(電車区)。
特に電車区は広大な土地に車両を停めておくところなので、ポイントの数も非常に多い。

電車区のポイントが不転換になると、車両の出し入れができなくなり、ダイヤは大混乱。車両だけでなく乗務員の運用も乱れるので、収集がつかなくなるのだ。

では、ポイント不転換はどうやって防止できるだろうか。
バラストの介在は予防が難しいが、雪の介在ならば「カンテラ」で予防できる。

カンテラをご存知だろうか。
小学生や中学生のころ、アルコールランプを理科の実験で使っただろう。
カンテラはあれの灯油版だ。

灯油を貯める部分に太い繊維の芯を挿し、そこに火をつける。
この火でポイントのレール部分を直接あぶり、温めるのである。
これで雪が溶けるという理屈だ。

カンテラによる原始的な雪害対策は、作業者にも大変な負担になる。

長くなってしまったので、詳細は次回に譲ろう。



鉄道マンの裏話を満載

社名は絶対明かせない 鉄道業界のウラ話



posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 21:37 | Comment(5) | TrackBack(0) | 人身事故・鉄道雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by e-アフィリ at 2006年02月09日 22:08
いつも、興味深いお話ばかりで楽しませていただいております。

実は先の採用試験で某東半分を覆う会社に内定をいただいた高校生なのですが、一応自分は車両職を希望で試験を受けたのですが、運転士にもなりたいという希望があります。

一度、技術の職につくと運輸職へ異動はありませんか?

変な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。
Posted by 東 at 2006年02月11日 16:56
東さん、こんにちわ。
内定獲得、おめでとうございます。

さて、個別の会社に対する話は差し控えているので、一般論と
して聞いてください。

車両職から運輸職への異動はないでしょう。あるとすれば、
構内運転士ぐらいでしょうね。

大昔は、車両職になり、車両に詳しくなってから運転士に
なるのがコースでしたけど。(蒸気機関車のころの名残?)

コースにない異動はありえません。(運転士養成はコストも
かかるし)。車両のスペシャリストを目指してください。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2006年02月12日 10:52
アドバイス本当にありがとうございます。先日、人事の方とお話する機会があったのですが、車掌試験はどの部署からでも受験できるとの事。

ですが、メンテの仕事を実際にやって、車掌以上のやりがいを見つけたいと思います。

駅員の方が着ているあこがれの営業服は一応、研修の時に着られるとのこと。

あの営業服に惚れたらどうしよう・・・技術系で営業服を着る機会は一生にこの研修の一度なのかな・・・。技術系の昇進経路でどっか着る機会があればいいのですが。
^^;
Posted by 東 at 2006年02月18日 05:22
どの部署からも車掌試験は受験できるでしょう。

しかし、技術職から車掌試験を受ける人は、職場で白眼視されるし、
上司の後押しもなく、合格は難しいでしょう。
(建前しか言わないのが鉄道の人事担当の典型。と言ったら言い過ぎか?)

鉄道会社の試験というのは、学校の試験と違って公平ではありません。
合格者の所属組合を見れば、ペーパーの点数だけでないのがわかります。

営業服が着たいだけなら、指令を目指せばいいでしょう。正直、営業服に
こだわるお気持ちが、私には良く分かりませんが。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2006年02月18日 21:28
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