大卒総合職の配属先(1)

 「誰も語りたがらない 鉄道の裏面史」

佐藤 充 5年ぶりの書き下ろし!
107 名の死者を出した「福知山線脱線事故」、政治家の思惑がからみあう「新幹線の利権」、鉄道が買われる「阪神電鉄村上ファンド買収事件」、東京を襲った未曾有のテロ「地下鉄サリン事件」、首都圏で起こった乗客の暴動「上尾事件」、初代国鉄総裁の謎の死「下山事件」……
2015年5月15日発売
Top就職の現場(非現業編) >大卒総合職の配属先(1)

大卒総合職の配属先(1)

何度か触れたが、鉄道の世界は”労使”がメインの世界である。
http://railman.seesaa.net/article/4288482.html

「ということは、社員は会社の言いなりではなく、社員の力が強い業界なのでは?」

と思われるが、実態はそうではない。特に大卒総合職にとっては。


4月は、どこの会社でも新入社員研修が行われている。
鉄道会社でも、大卒総合職の研修が終わり、配属される支社が決まる。

総合職の配属方針は、その年の「人事」によって変わる。
地方出身者をそれぞれの地元に配属させることもあれば、逆に地方を知らない者をあえて地方に送る、というような年もある。

本人の配属希望も聞かれるが、「人事」に対して

「地方は勘弁してください」

とは、総合職の立場上言えるものではない。
まして新入社員研修は、そんなことは言えない雰囲気である。

「いつまでも学生気分でいるな!」

が合言葉。

「学生時代での経験を活かして、頑張って欲しい」

とは採用面接などで言うが、会社としては、まずは巨大組織で問題なく動いてくれる人材にしたい。そういう意味で、新入社員の学生気質は徹底的につぶされる。

「遅刻だけはするな」「職場で問題を起こすな」「巨大組織の指示系統を理解しろ」

そうでないと現場採用の社員への示しがつかない、という鉄道ならではの事情がある。
人材育成の研修というより、規律を刷り込む研修なのだ。


配属もその延長。否応などない、従うのみである。

しかし、この配属は本人が想像する以上に人生に大きな影響を与える。

配属されると、現場で2〜3年、支社で2〜4年働くことになる。
つまり、長い人だと20代の大半をその土地で過ごすことになるのだ。
(もちろん、会社や(技術、事務などの)系統によって異なる。また、次のポストが空くタイミングでも期間は変わる。)

当然ながら、その間に結婚する人もいれば、子供ができる人もいる。
大切な時期に単身赴任になってしまうこともある。
昨今は共働きも多いし、家の事情でついていけない人も多い。

逆に配属先で結婚相手を見つければ、次の異動で離れ、そのまま戻って来れないこともある。

そうなっても考慮の範囲ではない。
(これも会社やそのときの「人事」によるが、基本は考慮されない。)


しかし重ねて言うが、この配属がその人の20代を決めるくらい、長期に及ぶことがある。

「家族と一緒に住みたい」

(そんなこといっても、君だけ特別扱いはできないよ。大卒総合職だってこと、わかっているの?)

「人事」の暗黙の言葉には屈するしかない。
愛する人のところに戻るため、辞めていく女子総合職が毎年必ずいる。

2、3年なら耐えられる人も、5年以上となれば話は別だろう。
まして鉄道の「人事」というのは、労使関係上オープンにできない情報を扱うところなので、鉄壁で覆われている。
そのため、突然、思いもよらないところに異動になることもあり、ある意味、社員は会社に対して非力である。

どこの業界でも、総合職とはこんなものだろうか。

しかし、次回はこれよりもきつい話をお届けします。




社名は絶対明かせない 鉄道業界のウラ話

「鉄道業界の舞台裏」が書籍になりました。



posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 00:25 | Comment(25) | TrackBack(0) | 就職の現場(非現業編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。ブログを拝見しました。

JRの総合職といえば去年のテレビ東京「ガイアの
夜明け」でエキナカビジネスに取り組む人たちの
様子が放送されていましたが、若い社員でも
実力次第で子会社の社長になっているとか色々な
提案をしていけるとかすごくオープンな感じの社風
のように感じ、鉄道業界に閉鎖的なイメージを
持っていた考えを改めさせられたと思ったのですが、
あれはテレビ上のあくまで表向きの演出で、
ここに書かれているようなことが鉄道会社の
内情なのでしょうか?
Posted by やまちん at 2006年04月20日 16:34
極めて閉鎖的なので、エキナカ部門と鉄道部門の間には高い壁。もはや別の会社なのでは、と思ってしまうぐらい。もちろん、プロジェクトXで紹介されていたSuicaビジネスもしかり。

部門を越えた異動はなかなかない。そして、各部門が低レベルな責任の押しつけあいばかりしている。

就職前はもう少しオープンな会社かと思っていたが、お役所根性はまだまだ健在。まともな人間ほどそんな会社にイヤ気がさすもの。

現職から見て、こちらの管理人氏が会社を辞めたのもうなずけるのだ。
Posted by 現職 at 2006年04月20日 17:35
やまちんさん

書き込みありがとうございます。
残念ながら、私はガイアの夜明けは見ませんでした。
個々の会社についての言及はできませんが、旧国鉄の子会社の社長について、言えることがあります。

以前は、子会社の社長は本体の天下り先だったのですが、グループ力の強化で、課長クラスが送り込まれています。
つまり、抜擢というより、子会社の社長の椅子が課長クラスのポストになったのです。
そのこと自体は経営的に良いことだと思います。ただ、人事制度が実力主義に大転換したわけではありません。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2006年04月20日 22:28
現職さん

一緒にお酒が飲めれば色々語れそうですね・・・。

本当におっしゃるとおりです。
現職の方の言葉には説得力があります。

実態はそうなのですが、世間での評判が非常に高いので、私が辞めたときにも、周りには変に見られたものです。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2006年04月20日 22:40
大卒幹部職の悲哀に関しては、あちこちで耳にします。私の知っている大卒の女性社員でも、子供を生んでもなお勤め(現在は、現業部門で幹部職)ている人もいます。ただ、家族(親)の支援体制は必要ですね。また、民鉄と比べると、営業範囲の広いJR系は特に大変かと思います。
一方で、大卒は現業職と比べると、若くても圧倒的な権限を持ち、仕事のやりがいが感じられることも事実ではないかと思います。
Posted by dechidon at 2006年04月21日 22:16
ただいま就職活動中の者で、JRを志望しています。そして選考も大詰めにきているのですが、今とても迷っています。

> 当然ながら、その間に結婚する人もいれば、子供ができる人もいる。大切な時期に単身赴任になってしまうこともある。昨今は共働きも多いし、家の事情でついていけない人も多い。

逆に配属先で結婚相手を見つければ、次の異動で離れ、そのまま戻って来れないこともある。

そうなっても考慮の範囲ではない。
(これも会社やそのときの「人事」によるが、基本は考慮されない。)

この点がとても気になりました。
私は男ですが、やはり奥さんをもらって、一つの場所に住んで、そこで子供を育てていきたいという思いがあります。その点を重視するならJRの総合職になるべきではありませんよね?
エリア限定での転勤になる総合職の内定を、他企業から頂いているので、そちらにいこうと思いました。

JRに魅力を感じたのは、JRの総合職ともなれば自分の裁量と能力でいろんな仕事ができるのではないか、と思っていたのです。しかし、そうでもないのですね。。。人事の方からは昨年実力本位の賃金制度に改変されたという話は伺って、徐々に変わってきているのではないかとも思ったのですが。
Posted by よしー at 2007年04月25日 02:39
よしーさん

先ほど別のコメントにも書きましたが、「いろいろな仕事ができる」のは誤解です。

「実力本位の賃金制度」というのも眉唾です。鉄道の仕事で、どうやって他者と比べるのでしょうか。
人事をやっている人と、車両メンテナンス部門の人と、比べる手段があるでしょうか。
非常に恣意的なものになり、上下のヒエラルキーを強化するだけではないかと危ぶみます。
もっとうがった見方をすれば、組合対策なのでは?第一組合を優遇し、他労組を解体に追い込むに、「実力本位」を理由に賃金格差をつけ・・・。
ここまで書いてしまうのは踏み込み過ぎでした。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2007年04月26日 22:38
丁寧なコメントありがとうございました。
きっとどのような業界を選んでも、想像とは違う厳しさというのは存在しますよね。ただ、JRはもう辞退しましたので、JRではなく、地元の方でがんばっていこうと思います。
Posted by よしー at 2007年04月27日 12:10
初めまして。
私はおそらく管理人の方と同じ鉄道会社総合職技術で内定を貰ったものです。
開発職の話、総合職の話、全て読みました。
私の知りたかったことが多く書いてあって本当に嬉しかったです。薄薄感づいていましたが、あまり私には向いていない会社のようです。
おそらくこの会社に行くことはないと思います。
このサイトを見て本当に良かったです。
詳しいことは言えませんが、別の道で頑張ります。後、できましたら直接会ってお話を色々とお聞きしたいのですが、難しいでしょうか?
Posted by mec at 2008年04月22日 01:32
mecさん

読んでいただき、ありがとうございました。
就職活動の参考になったのであれば、何より幸いです。
残り少ない学生生活を満喫してください。

個別のお話があれば、メールください。
railman(アットマーク以下は下記のとおり)
u01.gate01.com
お待ちしていま〜す。
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2008年04月22日 12:32
はじめまして。
たまたま辿り着きました。

本当に入ってみてはじめてわかることがありすぎる、わかりにくい業界だと思います。
拝読しながら、うなずいたり、思わず笑ってしまったりしました。
管理人様が辞められた理由もわからなくはありません・・・。

テーマになっている配属ですが、地方を抱えている会社だからこそ、制約なく動ける(若い)うちに色々な地方の現状をみておくのもいいのではないかと思います。実際に「地方経験があって良かった」と言う方もいます。

読んでいて「辞めていく女子総合職」というフレーズが気になりました。
ご存知かとは思いますが、女子総合職の配属先は男性社員のそれよりもずっと恵まれています。「都会っ子が田舎に行って、ショックを受けて辞められたら困る」という理由で、出身地(居住地)による配慮がなされる場合も多いのです。(全員がそうだとは言いませんが)その不必要な配慮(差別?)やお姫様扱いが受けられない立場になったときに、辞めるのではないでしょうか。

続けるためには、周囲の協力がないと大変なことも確かです。しかし本人の覚悟も必要なのではないかと思うのです。
もっと厄介なのはそれでもお姫様扱いをしてくれ、と強請るぶら下がり社員であり、男女問わずその割を食う人々がいるということなのです。

常に、制度より社員教育の在り方を見直すべきと思いながら、力のない自分に歯がゆい思いをするばかりです。
Posted by 日依 at 2008年05月07日 02:24
日依さん

書き込みありがとうございます。

確かに、女子総合職の配属では配慮がありますね。総合職だけでなく、
現業採用でも女子の配属には気を使っていますね。
まず平成採用の男の大卒管理者が切り込み、総合職、現業採用の若手が
開拓者になり、組合構成比に問題がなくなったところで、女子を送り
込む。こんなケースをよく目にしました。

配属に配慮があるのは本人にとっては良いかもしれません。ただ、
戦力としての期待より、そんな配慮の中で人事運用されるのは、
本人は満足できますかね。

自分の能力が発揮でき、仕事で他者に認めてもらえる場面がないと、
配慮があってもなくても、満足できずに辞めていっていると思う
のですが、日依さんの周りではどのような場合に辞めていっていますか?
Posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 2008年05月07日 23:08
総合職と銘打っていても、そもそも、結婚したらやめようというくらいに考えている人をあえて選んで採用していたとしか思えない場合もありました。

現業職についていえば、契約社員化が進められていますから、男女とも、確実に甘えが許されなくなってきているのではないですか。こういうと、不採用になた人には本当に気の毒ですけど、車掌から運転士への登用、駅の管理者試験を受けるのが嫌だという人は少なくないんです。

私の周囲では、総合職では、女性に対する不自然な優しさはありましたね。例外的にシビアな職場に回され、宿泊勤務の多さに挫折してしまった人もいます。男性総合職の場合、寮の大部屋に始まり、地方のドサ回りに至るまで、人事案件に異を唱えるのは至難の業です。一方、女性の場合、寮は個室、実習先は都会の大きな駅か優等列車というケースが少なくない。

お姫様扱い、というお話がありました。女性の場合、配属先が気に食わなかったら、人事や本社に直訴(これを、ショートサーキットとかチョンボと言って、嫌悪感を上長も多数いました)することで、「解決」するということもありました。男の場合、まず許されないことでしょうね。ただ、女性の数があまりに少なかった上に、男性の「問題児」も多すぎたので、上からしてみれば、やむない措置だったのかなとも思います。
Posted by Via at 2008年05月08日 18:12
昨日一昨日のやりとりを見て、山口意友『正義を疑え』という新書を思い出しました。この本にはそこまで載っていませんが、堂々と、女性の優秀さは自明ではないとは述べています。かといって、感情的な女性バッシングではないので、ご一読の価値はあります。例えば、「女性総合職は優秀であって、社風を良い方向に持っていく力を当然持っている」という命題が成り立たないことを示唆してくれます。言ってみれば当然なんですが。

鉄道と女性というテーマ、私は考えが古かったようです。というのも「採用時点での女性に不利益な差別」「結婚退社圧力」「契約社員化」という発想にとらわれていたからです。ある現職者に指摘されたのですが、「Viaの考えは間違っている」と言われました。本人が書き込むのは不都合があるとのことなので、私が代弁させていただきます。

一応、女性バッシングではないことをお断りしなくてはいけません。私に教えてくれた人が言うには、「近年の課題は、せっかく戦力として採用されながら、総合職の女性社員ごとに差が出てくるということ」に移っているみたいですね。つまり、男女均等法前後の移行期(混乱期?)に一時的にみられた女性優遇を改めていくときの食い違いだそうです。その一時的、例外的な措置が既得権化しているというのです。女性の採用や定着が当たり前になってきたからこそ起こる問題ということでしょうね。

例えば。採用時点では疑問の残った人や期待のかかった人をテストする意味であえてシビアな現業(例:業務多忙で人間関係も複雑な駅など)に送り込んで様子をみる。すると、疑問がついていたのに期待以上の実績を残してくれる女性がいる。反面、期待されていながら、そもそも社会人としての自覚や覚悟がないことを露呈してしまう人がいる。適性試験を通らないために何らかの責任ある立場に登用できないという人もいる。

ある現場で、新人は意図的に宿泊勤務を多くするという慣例を女性にもあてはめた。すると、現場管理者を通り超えて、本社や事業本部に堂々と直訴して勤務を加減してもらおうとする。また車掌として乗務する別の現場では、男女平等に日中の勤務が中心の行路(という言葉を使って平気ですよね)を割り当てている。当然、こういった行路は九時五時の日勤です。宿泊は絡まない。すると、危険が高い云々を理由に、日勤の行路を譲らない女性がいる。

現業職の人がこういう要求をするならまだしも理解できる。それでさえ社会人としての自覚を疑うのに、将来、将官になる人がこういうことでは示しがつかない。日依さんのおっしゃる「お姫様扱い」を、本人が求めてしまうの例がすでに出ているのかもしれませんね。


Posted by Via at 2008年05月09日 20:43
前回からだいぶ日にちが経ってしまいました。

身の回りで辞めた人は極端に少ないのですが「結婚」「人間関係」「やりがいのなさ」に分かれると思います。が、どちらかというと「大して仕事する気もなかったのでは?」という方たちが多いのです。悲しいことに、本当に仕事をしたい人たちに向いている会社ではありませんし。

そして、私が考えていたことはほとんどViaさんが書き込みして下ったようです。ありがとうございます。

>現業職の人がこういう要求をするならまだしも理解できる。それでさえ社会人としての自覚を疑うのに、将来、将官になる人がこういうことでは示しがつかない。日依さんのおっしゃる「お姫様扱い」を、本人が求めてしまうの例がすでに出ているのかもしれませんね。

・・・現業だって赦されませんし、到底理解できません。悲しいことに総合職を含む先輩社員らがそれをしています。
そして心ある先輩たちに「君は彼女らのようになるな。」と言われ続けています。
(実際、体格や体力の差はあるかもしれませんが、それ以外のことに差はありません。工夫すればいいのです。体格などの理由でフォローしてもらうも多々ありますが、別の形で返せばいいのです。)

私自身、会社側から不必要な優しさを貰ったことはあります。設備の問題もあったので仕方がありませんが、非常に悔しい思いをしました。
そうだとしてもその中で何をするか、どうしていくかは自分次第なのだと思います。

会社も変化しようとしているので、これからはこのようなことも少なくなっていくことでしょう。
意識を変えていくのは、今いる私たちだと思っています。
Posted by 日依 at 2008年05月20日 00:46
今、シュガー社員なる言葉が使われていますが、残念ながらその類でしょうかね。

>「大して仕事する気もなかったのでは?」とい
>う方たちが多い

それなりに誇れる学歴もある、筆記試験も適性検査もクリアしている、はたまた申し分のないコネがあるのでしょう。その陰で、やる気があって会社に貢献できたかもしれない隠れた逸材や大器晩成型の人が、何万人と不採用になって来ているはずです。それを思うと、残念でなりません。


>悲しいことに総合職を含む先輩社員らがそれを
>しています。

日依さんの会社は、おそらく私の聞いた社とは違うと思われます。しかし、こういう傾向があるとは残念ですね。心ある先輩がいるというのは救われますが。

一般の企業や中小の私鉄やバスであれば、「そういうことを言うなら、あなたの仕事は残念だけどないですよ」と、いつ宣告されてもおかしくないですね。組織が大きいと「居場所」が出来てしまうためか、それともあくまで本人の恩恵に対する義務の精神がないという問題なのかは分かりません。

私としては、これからの若い人に役立てたい理論を作りたいですね。社会学の上でも大きな問題になりそうです。

>実際、体格や体力の差はあるかもしれません
>が、それ以外のことに差はありません。工夫す
>ればいいのです。体格などの理由でフォローし
>てもらうも多々ありますが、別の形で返せばい
>いのです。

行路の例で言えば、夜通し走行する列車は盗難、酔い客の騒ぎといったトラブルが起こりがちなので、お客側の実感として、不寝番の車掌が女性だけ、というのは不安だと思います。私の現職時代はそう考えられていました。これは女性の特別扱いではなく、会社の商品に対する考え方、社会全体の価値観に関わる問題なので、下で働く社員だけでは簡単に答えの出ない性質のものでしょう。現に夜行列車の乗務を希望した女性もいましたが、男性との混成、日勤でかえれる駅までという形態も含めて、実現しませでした。おそらく、いまでもそうであるはずです。

しかし、そうでなくても、女性が男性にはできない仕事は沢山あるはずです。例えば、駅での女性の客への旅行相談などなど。

Posted by Via at 2008年05月20日 12:28
さきほどは舌足らず、脱字あり文で終わりました。

しかし、そうでなくても、女性ができ、男性にはできない仕事は沢山あるはずです。例えば、駅窓口での女性の客への旅行相談など。中には、女性の社員さんいません?と言っている人もいますよね。あとは、先述したように、夜行列車でなくとも、宿泊のからむ行路や、以前はベテラン男性に占められていた特急のチーフにも女性が入ることはあるはずです。
Posted by Via at 2008年05月20日 14:50
Viaさん

いろいろな事例をありがとうございます。
会社毎に事情はあるものの、根底にある問題は共通するものと考えます。

会社として、システム上無理なことはまだまだあります。それを承知の上でしなくてはならないことは、男性側が思うより、はるかにたくさんあります。
有難いことに、ここ数年でハード面は充実し、勤務差もなくなりつつあります。皆、泊まりも終電も特急も普通にこなしています。夜行はシステム上無理ですが。

しかしハード面が充実しても、ソフト面が変わらなければ同じです。
先日からの議論させていただいていることは、社会や働く側の意識の問題であると考えられます。

また、男性ではなく女性だからできると思っていることは、ジェンダー的観点ではないかということが多いです。

実際に女性として必要とされる、という事例はあまり遭遇しません。わかりやすい例は貧血の女の子を保護するとき、でしょうか

Viaさんが例に出された、旅行相談に必要なことはサービスマインドと知識という、プロであれば誰でも備えているべき資質です。

「女性だから、女性のお客様が安心するはず」は男性側の安易な考えです。

ではお客様は何故女性を指名するのでしょうか。

女性社員はまだまだ少ないので目立ちます。社員間でも、男性社員がミスをしても言われないようなことを女性社員がたまたま二回続けてしてしまうと、避難の嵐になったりします。「女はなあ〜」と。

目立つから苦情もお褒めも貰いやすく、からかいも含めて、お客さまにもよく声をかけられます。

お客さまが「女性の方居ないの?」というのは、このような理由から高いスキルを身につけた社員に接客してもらって良かったから、もしくは「態度の悪いおっさんに相手してもらうより、一生懸命な若い女の子のほうがいいよね」くらいの感覚であると思われます。

以上が経験したことを踏まえた見解です。いろいろ考えさせられますね。
しっかりしなくては!
Posted by 日依 at 2008年05月21日 00:01
日依さん

貴重なご意見をありがとうございました。現状について、私が知り得なかったことも多々あり、勉強になりました。思いのほか書きたいことが浮かんだので、女性側の認識の甘さ=お姫様使いを求める人、については後日にします。

>ソフト面が変わらなければ同じ、について

私もこれは実感しています。女性社員を取り巻く環境、すなわち
社内的な雰囲気と社会的なもの(主として顧客層)に関係しています。
ただ、環境はは社風のみならず、社会のあり方も関係しています
から、一朝一夕に改まる性質ではないですね。だから、私が論じるにも
簡単ではないので、小出しに考えて行きたいと思います。
日依さんのような方が返事をくださり、非常に良い機会に
恵まれました。

<社会、あるいはお客側の意識>

良くも悪くも「男性的」とされた領域への女性の進出を好奇の目で
みる、日本社会の一面として女性をはやし立てる土壌が根強い、ということではないでしょうか。

ではどうしてこういうことが起こるのか。
在り来たりな話なんですが、メディアが鉄子だの鉄おとめだのとむやみに
取上げる面が影響していませんかね。これは、アメリカ軍の将官が論文で書いた
ものがあるのですが、日本人はメディアに煽られやすい素養があると。題材は
太平洋戦争の前ですが、今にも言えることだと考えています。

会社側としては、格好の宣伝機会と捉える。一方、働く側としては不必要な注目は
それこそ不必要。

女性社員は「目立つから苦情もお褒めも貰いやすく、からかいも含めて、
お客さまにもよく声をかけられます」とのことですが、<からかい>
という面があるのは確かですね。一概に悪気のあってのことではないと
は思いますが。私の知る女性社員が「女性車掌さんて
特急にも乗るんですね」「車内が明るくなりますね」って立て続けに言われ、
心の中でまたかとうんざりしたそうです。次に、ホームで急病人が出たとき、走り始めた電車に乗務中
だったのでやむなく駅社員に言ってくれといった。後日、<あの電車の女性車掌は非常に不親切だ。女性の車掌なんてその程度か>という苦情が入る。

別の局面では、男性社員には敬語を使う同じお客が、女性社員には荒いけんか腰の言葉を使う。女性社員が客の誤解や間違いを指摘し説得しても高圧的に言い負かそうとする。こういうのは、私の経験では、男性客に目立ちますね。鉄道の現場で働く彼女たちへの羨望の目でもあるのでしょうか。それとも、どうせ相手が女性だから少しぐらいの無理など平気だろという悪しき考えなのか。私の周囲で、こういうことで一時的に傷ついてし
まっていた女性社員もいました。

ここで、一様に聞かれたのはこんなことです。
<その場は客の悪口雑言の類を聞き流せる。しかし、それは相当の我慢を強いられた上でのことであることも多い。その事実を職場で男性の上役に伝えたときに、「自覚が足りない」「そういうのを知ってて入ったんでしょ?」の一言で済まされ
ることの辛さ>
<女性の苦労に一応は共感してくれる。場合によっては事務職への配転を打診される。しかし、表面的なやさしさというオブラートに包んで、女性の職域拡大を阻止しようする意図がみえみえの男性の政治屋がいる>

こちらのダメージが大きかったということです。もっとも、二年目三年目の人が、こういうことで傷ついて仕事にならないというのもいただけない、という女性の意見もありましたが。

私の実感としては、内外共に、
<女性=弱い存在、という見方が依然根強い。ただし、レディス・ファストの価値観は足りない>
<女性の社会進出によって既得権を奪われつつある男性が、羨望と脅威の目で見ていることのある一面>
<単なる冷やかし>
こういったことが絡み合っていると思いますね。



Posted by Via at 2008年05月21日 09:32
U 鉄道職場と女性について

一応このように銘打ってみました。見てはみたものの、男女問わず、
鉄道を職場に選んだ人のプロ意識や社会人マインドとは、とした方が適切な
気がしてきました。

<お姫様扱い>
早い話が特別扱いであり、それが好ましくないというのは、もはや言うまでもないということで
ご勘弁いただいて。

日依さんのお考えを推測するとこういうことになりますか。

宿泊、夜勤は言うに及ばず、その他通念的に男性が従事したほうが良いと思われていたり
、慣例的に男性が就くことが多かった職域に女性が配属される。その場合、現業職であれ
総合職であれ、会社の辞令に従い、当面の任務に没頭すべきである。もしそれに不服がある、
自分の体力では無理、あるいはそれに合わせて自分を変えていくつもりもない、当初のイメージ
とは全く勤務内容が違ってがっかり。そう思うのは勝手だが人を巻き込むな。給料はおろか福利厚
生のただ食いするな。宿泊や夜勤のしわ寄せを他のチームメイトに及ぼすな。
だったら、定型的な業務に限られる契約社員にしてもらう、早期に転職をする、
大学に戻るなどするべきだ。社内の政治力学・自分の上層部への縁故を頼って、正社員と
しての居場所を確保することを画策するなど論外。

仮に宿泊や夜勤が多く、人手が十分でない職場に私が戻って、先輩の女性社員にシュガーな人がいれば、こういう意見を
持つことは十分にあり得ますね。また、こういうスタンスで、男女社員に臨んでいる鉄道会社もありますね。

あるいは、だったら辞めたら、とまで行かずとも、<女性であること>をもって上や周りに甘える人がいると、
規定どおりに(規定以上に)がんばっている女性の努力を無にし、内外の付け入る隙を与えるという危機感
でしょうか。つまり、同じ職場と言えでも大なり小なりみな競争相手であり、相手が全面的に自分の味方だとは限らない。
表向き、その場限りは同情していても、<結局女に任せるとこうだ(ネガティブにいわれる)>
<やっぱり女じゃだめだ>という評価が広まり、必死にがんばっている女性の足も
引っ張ることになる。甘えた人がいる職場に、次に次にできる新人が送り込まれて、分担する仕事が
なくなる。それで本人が居づらくなる分には仕方がない。しかし、その人のせいで、<女性はこうなんだ>という
問題として扱われるのは筋違いでしょうね。

後者の場合、職場に政治屋がいると厄介ですね。傍から見れば腰掛的なのは明らかだが、
自分からは辞めるつもりはないという女性。一方、会社の決定に従い、社風を変えていこうという意欲的な女性が
いる。私が聞いたのは、若手でも、宿泊を減らせ・きついという人と、いやそれは修行のうちだから、という人が
分かれる。多くの若い女性は後者でしょうし、そうであろうと信じます。
でも、こういう人たちの対立を上手く煽って喧嘩をさせ、<やはり女性はだめなんですよね>
という評判を広める政治屋が複数いたらしいことです。

入社まもない年の近い社員同士を喧嘩させ、あわよくばどちらかが退職するか出向するかしてほしい、と望む者は
どうしても出てきます。いわゆる現場たたき上げのおじさん社員と大卒社員とでは、どうしてもそりが合わないところがある。
高卒専門の社員はどうしても現場たたき上げの側につく。鉄道の総合職というのは学生が羨む仕事ですが、実は本人にとっては第二志望以下だったという人も少なくない。そういう人が職場の不満分子から問題児化し、政治屋に付けこまれる。そこへ、女性の職域拡大という形で、男性社員の居場所が削られるという事態も生じてきた。
(こういう見方を私は常々批判されます。ちなみに私は、有能で適性もあるなら、女性が内定者の過半数をしめても良いとさえ思っています。ここで言いたいのは、会社のポストは増えずに女性の登用が増えているということは、男性の居場所が減っているのは事実として否定出来ない、という点です・・)
対立軸が複雑化しているこういうときに、よりによってお姫様扱いを求める人がいたらどうなるか。あまり想像したくない職場環境になりそうですね。

Posted by Via at 2008年05月21日 13:54
Viaさん

私の言葉が拙かったにもかかわらず、様々なことを汲み取っていただけて有難く思っています。

そうですね。
男女問わず懸命に仕事している人が損をしないように、と思って毎日過ごしています。

先輩に向かって毎日心の中で「ちゃぶ台返し」をしている時期もありました(今でもたまにそうですが)。政治屋もたくさんいます。

根強い男尊女卑。そもそも扱い方がわからないから不安だし恐い。だからサンプルを見ずに、不必要な気遣い(?)をしたりしてしまう。
「女」である前に「一緒に働く人」であることを忘れています。

男性であれば教えてもらえる(学ぶ)機会があるはずの会社員としての処世術も「女性」だからという理由で仲間にしてもらえず、学ぶ機会を失うこともあります。それで失敗したりする。
そうすると「物を知らない」「女っていうのはなあ」と言い始める輩が出てきたりもする。

また女性側にも(極端ですが)「そんなに頑張らなくて良いじゃない女の子なんだから。お嫁に行くのが幸せなのよ」という社会的に作られた枠でがんじがらめになっている人がいます。彼女らにとっては懸命に働く女性社員は「頑張られては困る」存在です。自分たちにまで火の粉がかかっては堪らないとばかりに、揶揄ばかりしている男性側についたりします。

職域拡大に伴って聞かれた科白は決まって「女に仕事をとられる」でした。「女が増えたねえ」とも。

そのとき私は決まってこういう話をしています。

私「10人採用するとします。これまでの応募条件は男性であること。しかし最近はこの条件を外して採用試験をしています。成績順に上から10人選んだら内訳は男性7人、女性3人にでした。さて問題です!採用された人間のの数は変わったのでしょうか?」
相手「・・・同じだなあ」
私「会社は働く人数ででカウントしていますからねえ。ちゃんと働かないと仕事なくなっちゃいますよ〜」

感情として納得しない人もいますが、そもそもこの理屈に気がついていない人が多いのです。算数の問題であるのに。

現在、女性の職域拡大は様々な企業・業界で叫ばれています。他企業・他業種からも話を聞くことがありますが、この問題はどこにでも共通する課題のようです。

ここに書き込んだことで私自身のあり方を見直すこともできました。冷静に考える機会を与えてくださり感謝申し上げます。

ありがとうございました。
Posted by 日依 at 2008年05月23日 21:31
以前、書いておいたものです。いい機会なので、
出してみます。

「優しい」先輩たち 

社会人である以上、本人の自覚や主体的な行動は当然要求される。でも、本人の自覚だけではありません。見習い期間中、自分が独り立ちして困らないための指導をしてくれる先輩に出会たるかどうかがその後の鉄道人生を左右することは否定できません。

新卒の総合職社員や女性社員は、概して、出札・改札といった部門(会社によっては<営業>部門と言っています)に置かれることが多い。

ある新人女性社員(大卒・総合職)のキョー子さん(仮名)は、優しい先輩・上役がたに恵まれたと喜んでいました。

見習い期間中の夕食をいつもおごってくれた大卒男性の助役。困ったこと・分からないことを聞くとすぐにメモを取るように指示して教えてくれ、寝食を共にしてくれた二期上の大卒女性の先輩。人身事故でダイヤが乱れたり、趣味が高じて難解な発券を依頼する客が来るといったクリティカルなな場面で、率先して対応を代わってくれた、現業職の男性社員たち。

キョー子さんは、営業規則を覚え、出札・改札の対応が上々だとほめられるほどになった。発券機械の操作と簡単な修理、そして内勤時の書類作成などもこなせるようになった。(ただし、これらは多くの鉄道会社では出来て当然)

ある日、先輩たちのこんな陰口を聞いてしまった。「キョー子さんって、言われたことしか出来ないね」「貸し借りの取引ができねーんだよ」
「学生気分が抜けてないのよ」

普段自分をフォローしてくれていた人にこう言われているのを聞き、衝撃を受けた。そんななかで、甘やかされたキョー子さんにいつも厳しく接していた、一期上の大卒男性の先輩ケンタくん(仮名)が忠告してくれた。実は、クリティカルな場面こそ、自分から名乗りを挙げて、辛くても
人に頼ってはいけなかったのだ。

「口では、ああいいよ、ああいいよって言うさ。だって、いちいち教えたり考えさせたりするのって面倒じゃん。だったら代わりにやっちゃったほうが楽だよってなもん。キョー子って、高校と大学で、人の表裏の使い分けって経験しなかった?」「規則集を念頭においてお客を説得すればいいのに、何で感情論を言うんだよ。いつか俺が行動で示したろう。」

キョー子さんが風邪と中耳炎をこじらせて休んだときも、ただひとり、優しい言葉をかけず、「君が休んだ分、××さんが代わりに二晩続けて泊まってるんだぜ。今度の休み、返上しろよな」とボソッと言うだけだったケンタくん。キョー子さんが客の不正乗車を指摘したときに、客に逆切れされた。そのとき、ケンタくんは、冷静に規則集を片手に説明するという行動を示してくれていた。
ぶっきらぼうな態度に、なんて嫌なやつだろうとしか思えなかった自分が恥ずかしかった。

かたや、陰口を叩きながら表面上は優しく接していた先輩たち。

ケンタくんのような人を本当の親身な指導であると早いうちに見抜けることが、鉄道人生に限らず、あらゆる大人の世界では大切でしょう。こういうことは、大学の勉強とは無関係ですし、ましてや、大学入学時の偏差値などとは全く接点がないでしょう。

Posted by Via at 2008年05月24日 13:51
かねてよりメルマガを拝見させて頂いて居たのですが、HPにもお邪魔させて頂きました。podと申します。
上のほうのコメントにもある女性の夜勤などの問題ですが、前回のダイヤ改正で自社管内で完結する夜行列車が1列車廃止になりました。理由のひとつが女性に夜勤がないことに対して某組合が申し入れたからみたいなんですね。某組合の方々も、数名の女性が増えたところで年間の乗務回数は対して減りませんが列車廃止になれば夜勤そのものが無くなるということで納得されたようです。(臨時化なので年数回は残りましたが)
世間に嘘の理由を掲げて会社が逃げの一手で幕を降ろした訳ですから、もうこの問題に再度メスを入れて夜行のスジを引くことはないでしょう。こうして平和は保たれるみたいです。
このような都合の悪い問題を、こっそりと隠してしまう体質が怖くないですか?きっと大小いろいろなことを隠しているに違いない、、、とヒマな時に考えてしまいます。
実は○○線の鉄橋は地震が起きたら保つかはわからない、、、
なんて隠していたら…
Posted by pod at 2009年10月11日 22:43
全然辛くないじゃん
Posted by at 2012年10月06日 23:11
総合職は職責を全うするために大きな権限があり、ある程度は越権も認められてる。
重責は担いたくないが権限と報酬は欲しいってのはムシがよすぎるだろう。
総合職という言葉の響きは格好良さげでエリートっぽい、でもイメージに浮わついた覚悟足らずに入ってこられたら迷惑な職域でもあります。
すでに総合職なら一刻も早く覚悟完了してください。
将来、総合職を目指す方は職責を自覚したうえでこのまま目指すかどうかを決めてください。
Posted by 名無しさん at 2016年04月18日 08:17
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