前回は、人身事故の生々しい現場を紹介した。
独特な異臭を放つ内臓。車両の下に捲き込まれた遺体は悲惨だった。
【遺体は跳ね飛ばせ】
田舎を走る車両は、障害物に出会う可能性が高い。
犬や猫が飛び出すこともあるし、田舎だと狸や鹿も現れる。
踏み切りも多いので、車と衝突するかもしれない。田舎では、道路が鉄路を渡るところに踏み切りのないこともあるので、余計に危ない。
障害物が先頭車の床下に入ると大変である。先頭車の床下は、福知山線で有名になったATS(自動列車停止装置)などがあり、破壊されると回送するのも面倒で、修繕にも時間がかかる。
そのため、車両には前面に「スカート」と呼ばれるガードが備わっている。
衝撃を吸収するため、割と柔らかい素材でできている。
高架や地下を走る車両には必要ない。動物や自動車に出会うことのないからだ。
しかし、現実には高架や地下を走る車両にも備え付けられていることが多い。飛び込んだ人間を跳ね飛ばすためである。
人身事故用に「スカート」を備える車両。なんともいえない嫌な気分になる。
【見つからない右手】
人身事故の現場でまず確認するのはその人の生死だが、バラバラになっている場合は、全身がそろっているかどうかを確認する。
前回も触れたが、出てくるまで探さなければならない。
鉄道の人間は、運転を再開したくてジリジリするが、全身そろわないと警察の検証が終わらない。
あるとき、どうしても右手が出てこなかった。
「おかしいな…」
鉄道の人間も、運転を再開させるために必死に探したが、出てこない。
※この続きは、拙著「
社名は絶対明かせない 鉄道業界のウラ話」で。
2010年3月単行本
 
| 2012年4月文庫本化(650円)
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続く
関連コンテンツ
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人身事故(1) ○
人身事故(2) ○ 人身事故(3)
○
人身事故(4)
posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 21:56
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人身事故・鉄道雑学
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毎回、新しく出る鉄道業界の舞台裏のお話を楽しみにしています。
最近、人身事故かなり多いですね、心が病んでる方が多いのか、それとも、ホームに人が溢れていて、線路際を歩き、誤まって、線路に落ちてしまうのでしょうか?
お気の毒でなりません、
只、朝の通勤ラッシュの時だけは、やめてほしいものですね(>_<)
それにしても、人を跳ねた時の電車内の状況はいったいどんなものなのでしょうか?一番前の車輌で、かぶりつきをしている人もその瞬間を間近に目撃する訳だから、、、、、、
夢に出てきそうで怖いです(-_-)
でも、一番大変なのは、電車を運転する人が一番ショックなんでしょうね、自分が運転する電車で人を跳ねてしまう訳だから、、、、 心境をお察しします(__) ご遺体を片付ける人達も大変なんでしょうね、やはり、当分はごはんを食べられなかったりするのでしょうかね?
いつも書き込みありがとうございます。
また、楽しみにしていただいて、うれしいです。
人身事故のときの運転士は、確かにかわいそうですね。一生忘れられない
きつい経験になりますから。
皆さん、人身事故でダイヤが乱れたとき、イライラしたり怒ったりする
前に、一瞬でも、死者の冥福を祈り、関係者に同情の気持ちを抱いて
あげてください。
時々駅を通過するときヒャっとすることもあります。また飛び込まれた同僚の話では、目線があったと言ってましたし、一度やられた後、運転再開してまたやられたと言う方もいます。
運転士にとって経験する要素は誰でも持っていますね。
私はまだ入社3年目で実際にその現場には行ったことはないのですが、
人身事故をして間がない車両の交検を打ったことがあります。
そのとき私は大阪方の先頭車を含む3両の機械担当
(台車、ブレーキ関係機器の検査担当)でした。
そして人身事故をした車両も大阪方の先頭車だったのです。
事故をしたあと外注の方が清掃をしてくださるのですが、外周りだけで、
床下機器についた細かなものはとれずに残っていました。
人身事故(2)で書いてあったように人というのは独特なにおいがしました。
できればあまり近づきたくはないのですが、床下のいたるところについているので
そんなわけにもいかずこらえながら検査を続けました。
先頭車でなければよかったかもしれませんが。
【見つからない右手】の話しですが、
私の会社(私の区所)では見つからなかったときには倉(車庫)に車両をいれ探していました。
マグロって、なぜか当たりの多い人と、少ない人がいます
よね。不思議なものです。
ホームドアを導入するとほとんどなくなるそうです。どんどん
導入されればいいのですけど。
mackyさん
マグロをやった車両を担当しましたか。嫌ですよね。どうでした?
私は、肝が小さいから、マグロは絶対だめだと思っていたのですが、
結構普通に対応できて、その晩も挽肉使った料理ができたほどです。
そんな自分に感心していたのですが、鼻がにおいを覚えていて、
においを思い出すと不快な気分になって滅入りましたね。
また違う場所で人身に遭遇したことのある先輩もいました。その人は半分ノイローゼになったそうですね。夏場の深夜は結構多かったそうですよ。
5月、7,8月、年末は特に要注意期間ですね
くれぐれも私の仕業でやらないでくださいと毎日祈るばかりです。
匿名運転士さん、こんにちわ。
毎日、お疲れ様で御座います<m(__)m>
電車で人を跳ねた場合ってきれいな遺体として残るのは、やはりマレなんですね。大部分がバラバラになって、肉片とか細切れになってしまうとは、あまりにもリアルすぎて創造が付きませんが。しかも車体にその遺体の一部が残ってた場合の後処理なんかはどうするんでしょうか?やはりご遺族にお返しするんでしょうか?疑問です。 (?_?)
5月は木の芽時・7月、8月は炎天下・年末は分かりませんが精神的に人間がまいってしまう時期ですね、困ったものです。
実は私の叔父も運転士をやっているのですが、よく、電車で人を引くそうです。本人は至って全然平気みたいなんです。【いやぁ、又、マグロっちゃったよぉ】とかいっていました。でもいい気はしませんよね、気分的に。
匿名運転士さんがそのような事に遭遇しないよう、お祈り申し上げます。
何事もなくて幸いでした。
>車体にその遺体の一部が残ってた場合の後処理・・
先輩に聞いてみましたが、まず警察に連絡、所轄の警察が着て回収(引き取り)していきました。その後は・・・わかりませんね
鉄道事故の場合、低速ではねた場合、意外と綺麗な形で残ることもあります。しかし、線路などに寝そべった場合は・・レールとスカートとの間に巻き込まれると最悪です。車輪に・・・この場合
かなりえぐいことになりますね。(駅に侵入したときなどがその例です)
速度が上がっていてはねた場合も同じく紛れもなく、木っ端みじんですね。新幹線を思い出してみてください同じことですね。一番悲惨では無かろうか
明日は久々に公休日ですゆっくりと家内と買い物に出かけます。早々運転士の仕事はかなり家族にも迷惑かけますね。特に小さい子供さんのいる家庭は大変ですよ。ある意味家内の理解がないとやっていけない職業です。
脱線話しました。すみません
ぬれ衣を着せられる存在。
迷惑迷惑。
こんにちは。
ご友人の件はショックですね。また、「何度か人身事故の(駅)現場を目にしたこともあります」というのも辛い経験ですね。
ホームドア(都内だと丸の内線とか、大阪だと今里筋線にあります)が設置されると、駅の人身事故はなくなります。こういうのを早く設定すべきですね。
先日友人が人身事故で亡くなりました。
お通夜に参列させていただきましたが、ご家族の姿を拝見し、いたたまれなくなり早々に帰宅しました。
電車に飛び込む、そでだけでも衝撃的ですのに、友人がそのようなことになってしまったこと、友人には家族がいたこと、正直今でも心がモヤモヤとしてどうしようもありません。
なぜ、飛び込んだのか、ショックでなりません。
それにしても最近鉄道人身事故は少なくなった気がします。
ここだけの話。俺は電車乗ってて人身事故に遭遇したことがない。(停電で運転見合わせになった経験はあります。学校は無事間に合いました。)
年金を打ち切られて
JRの女性美人運転士に
潰されるような気がします
踏切の保守や検査、修繕が仕事の一つでしたけど、
初めてその現場に呼ばれていったのはやっぱり
7月でしたね。
踏切が正常動作していないと困るので一番に
現地に乗り込んでみていた人を捕まえて一筆
書いてもらう(踏切は正常動作してました、と)のが
お仕事という…そして、運転再開後にやはり踏切が
正常動作しているか確認のために最後までいました。
ちょうど夕暮れ時で、暗くなっていくのにご遺体が
警察の検視でブルーシートの上に並べられていく
(その時の遺体はなぜかバラバラにはなりませんで
上下線の真ん中にあったらしい)様を遠くから
見ていましたが、闇夜にそこだけ青白く光るのは
気味が悪かったし、そこで夜間作業するたびに
気持ちがなえましたね…
あの年はそのあとすぐに土曜日日中にも列車に
ひかれた方がいて(そっちはもうグチャグチャ
でしたが)やっぱり多い時期ってあるんだなと
思った次第。
記憶に強く残ったのは視覚的なものではなくて臭い
でした。ホラー映画も臭いつけたら相当怖いものに
なるとその時強く思ったなぁ…
あとは人間の脂肪はやたらと黄色い、かな。
リアルな話ですね・・・。
やはり臭いですよね。テレビや映画では臭いは伝えないですからね。
女性運転士は多いが、どんな時もうろたえずにいてほしいもの。
私は10月に家族同様の人を人身事故自殺で亡くしました。身内がいないので私が刑事さんに立ち会ってくれと言われバラバラでその頭部写真確認しました。正直まだ焼きついています。その後私は電車と暗い所の恐怖に襲われ今精神科に通っています。しかし、私も家庭があるし生きて行かなきゃダメなんでこういう記事にも向かって行かなきゃいけないんですよね。今は随分とはよくなりましたが。ちなみに、バラバラになった仏様は葬儀まで葬儀場の冷蔵庫で保管されてたそうです。
長文失礼しました。
飛び込めないように対策することに
金を使うべき。
今まで電車の人身事故でどんだけ轢いた!?
自殺以外だってあるんだからね。
人身事故を絶対起こさない対策を考えるべき。
ある種のやさしい気遣いを感じて、物理的な意味とは別に、破滅への抑止力も多少あるのでは・・・