この時期、企業は中間決算のシーズンを迎える。
決算資料は、就職先の会社を知る貴重な資料にもなるので、今回はこれらをもとに会社比較をしてみよう。
※最新の中間決算ではなく、昨年度の年度末決算を取り上げる。
(この記事は2005年11月に書きました)
まずは売上高。関係会社を含めた1年間の売上である。
売上高(百万円)連結
JR東日本 2,537,480 *************************
JR東海_ 1,409,497 **************
JR西日本 1,220,847 ************
近鉄__ 1,106,324 ***********
名鉄__ 790,828 ********
東武鉄道 637,364 ******
日本航空 2,129,876 *********************
全日空_ 1,292,813 *************
「会社の大きさ」を示す数字はいくつかあるが、これがその典型。これがないと事業は始まらない。
数字を比較してみると、同じJRでも東日本が西日本の倍、東海の1.8倍で、圧倒的な差がある。東海と東日本は同じような会社という印象があるが、実態は異なる。
さらに、航空各社と比べても、JR東日本の大きさは際立っている。
ちなみに、私鉄でも近鉄はJR西日本と肩をならべる。旧国鉄の威光で「JR」というと大きく見えるが、近鉄だけは肉薄している。
経常利益(百万円)連結
JR東日本 212,339 *********************
JR東海_ 142,396 **************
JR西日本 95,933 **********
近鉄__ 43,638 *****
名鉄__ 28,543 ***
東武鉄道 27,532 ***
日本航空 69,805 *******
全日空_ 65,224 *******
そして経常利益。これは文字通り「利益」だが、地震による被害のような特別な要因は排除してある。
売上高と比べて特徴的なのは、JR東海と東日本の差が縮まっていることと、民鉄、航空各社とJR各社の差が開いていること。
売上高経常利益率
JR東日本 8.4% ********
JR東海_ 10.1% **********
JR西日本 7.9% ********
近鉄__ 5.9% ******
名鉄__ 3.6% ****
東武鉄道 4.3% ****
日本航空 3.3% ***
全日空_ 5.0% *****
経常利益を売上高で割ってみると良く分かる。JR東海の利益率が高く、また総じてJR各社は利益率が高い。
鉄道関連事業が多い会社は、売上は大きくなるが利益率が下がり、鉄道事業でもローカルが多いと利益率が下がる。
利益率が低いということは、頑張って同じように売上を上げても、他より実入りが少なく、株主としてはうまみが少なく、事業の安全性も低いことになる。
さらに詳細な分析は、次回にゆずることにしよう。