(前回まで)
売上はJR東日本がJR東海の1.8倍もあり圧倒的だが、売上高利益率はJR東海の高さが際立っていた。
http://railman.seesaa.net/article/9006630.html同じJRの中でもJR東海の利益率が高いのは、新幹線の割合が高いためだと思われる。
新幹線割合(km)
JR東日本 6,474 1,053 14% ***********++
JR東海_ 1,425 553 28% **+
JR西日本 4,388 664 13% ********+
近鉄__ 574 *
名鉄__ 445 *
東武鉄道 463 *
※左の数字は在来線、右が新幹線
JR東海は(路線距離を基準に)約3割が新幹線で、割合からいうとJR東日本やJR西日本の倍になる。
ちなみに、鉄道の距離数はJR東日本がJR東海の3.8倍。そういう意味ではJR東海は小さい。
鉄道1kmあたりの売上(百万円)
JR東日本 337 ***
JR東海_ 713 *******
JR西日本 242 **
近鉄__ 1,928 *******************
名鉄__ 1,776 ******************
東武鉄道 1,377 **************
鉄道1kmあたりの経常利益(百万円)
JR東日本 28.2 ***
JR東海_ 72.0 *******
JR西日本 19.0 **
近鉄__ 114.6 ***********
名鉄__ 64.1 ******
東武鉄道 59.5 ******
鉄道1kmあたりの売上、経常利益を見てみても、JR東海がJR東日本の倍以上で、赤字路線が少ない筋肉質な体質であることが伺える。
(ちなみに民鉄各社は、関連事業が大きいためこれらの数字が大きい。)
東京圏をもらう代わりに、赤字路線の多い東北エリアを背負ったJR東日本。
売上高は高いが利益率は低い。
東京圏はもらえなかったけど、東海道新幹線をもらい、ローカルも少ないJR東海。売上高は低くても利益率は高い。
これら2社と比べ、JR西日本は苦しい。
東京からの移動では、広島以西は飛行機に負けてしまい、関西の在来線は私鉄との競争が厳しい。鉄道1kmが生み出す利益は、他社に比べて圧倒的に少ない。
最後に、社員一人当たりの売上高、経常利益を見てみよう。
社員一人当たりの売上高(百万円)
JR東日本 33.9 **********
JR東海_ 60.4 ******************
JR西日本 28.3 ********
近鉄__ 39.9 ************
名鉄__ 21.1 ******
東武鉄道 30.1 *********
社員一人当たりの経常利益(百万円)
JR東日本 2.83 *********
JR東海_ 6.10 ******************
JR西日本 2.22 *******
近鉄__ 1.57 *****
名鉄__ 0.76 ***
東武鉄道 1.30 ****
これもJR東海がJR東日本、西日本の約2倍になった。一般に、社員一人当たりの経常利益が高ければ、社員の給料を上げる余地が大きい。
単純に比較できないが、参考までに社員の平均年齢と平均年収を記すと、JR東日本(42.9歳、682万円)、JR東海(40.0歳、721万円)、JR西日本(42.0歳、716万円)になっている。
筆者自身も、このような会社比較をしてみて驚いた。同じJRでも、思った以上に状況は異なる。これから就職する人は、ぜひ参考にしてもらいたい。
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第3章 複雑怪奇な鉄道の人間模様
posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 21:45
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鉄道会社への就職・その他雑記
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今夏鉄道系の企業のインターンシップに参加し
たいと思うのですが、高倍率のようなのででき
るだけ多くの企業に応募しようと思うのですが、
日程の重複があっても応募できるだけ応募する
べきなのでしょうか?重複してしまった場合は
書類審査(第1次選考)通過後に断ればよいのでし
ょうか?また、その場合は後に本採用時に選考上
不利になるのでしょうか?アドバイスをお願いします。