鉄道会社への就職・その他雑記

 「誰も語りたがらない 鉄道の裏面史」

佐藤 充 5年ぶりの書き下ろし!
107 名の死者を出した「福知山線脱線事故」、政治家の思惑がからみあう「新幹線の利権」、鉄道が買われる「阪神電鉄村上ファンド買収事件」、東京を襲った未曾有のテロ「地下鉄サリン事件」、首都圏で起こった乗客の暴動「上尾事件」、初代国鉄総裁の謎の死「下山事件」……
2015年5月15日発売

適職診断

独断と偏見による、鉄道会社への適性診断です。
今後の改善のため、診断結果をコメントに書き込んでいただければ幸いです。
コメント
(Ver1.1 2005年 7月19日 配点を見直しました。ちょっと辛すぎたので、甘くしました。)
(Ver1.2 2005年11月29日 コメントの切り替わるしきい値を下げました。辛すぎた…。) 


次は 鉄道志望者向け常識クイズ!

診断後に見る解説

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 23:27 | Comment(166) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鉄道で散歩:深大寺

東京:深大寺 (ここは穴場。散歩でも、デートでも十分使える。)

そばを堪能し、門前のお店でおやつをつまみながら散歩。
歴史あるお寺で貴重な仏像をお参りする半日コース。


新宿駅から京王線を利用して約16分、つつじヶ丘駅で下車する。

一応、鉄道関連のメルマガなので、京王線の車両も載せておこう。
(正直言って、筆者は京王線の車両についてはほとんど知らないが、)
さすがに首都圏の主要路線だけあって、感じのいい車両が走っている。
train.JPG

余談だが、この路線は高尾山のふもとへと延びているので、休日などはハイキング姿の人も多い。帽子をかぶって乗車しても目立たないだろう。


つつじヶ丘駅は、どこにでもあるような住宅地沿線の駅だが、ここは深大寺への玄関口になっている。

北口改札を出て、ロータリー向かって左側のバス停。ここから10分と置かずに深大寺行きのバスが出ている。
ちなみに、となりの調布駅、JR中央線の三鷹駅からも深大寺行きのバスはあるが、本数はつつじヶ丘駅が一番多い。
つつじヶ丘駅から深大寺までは、バスで約15分である。

深大寺周辺には駐車場もあるので車でも来られるが、休日は混むし、このあたりは道が狭い。電車とバスで来るのが、返って楽だし、自由が利く。


このへんはもちろん住宅地だが、昔ながらの武蔵野の風景も残っていて、畑や小さな養鶏場、広い緑が目を癒す。短いバスの乗車時間も、車窓からの風景が楽しめる。


深大寺には、お昼前に到着するのがいいだろう。

バス停からお寺までは参道で、趣(おもむき)のあるお店でおいしそうな焼きせんべい、焼餅、冷たいものなどが売られている。しかしここでは我慢して、おそば屋さんに直行しよう。
sandou.JPG

深大寺は、「深大寺そば」と言われるだけあっておそば屋さんがたくさんある。
どこのお店もおいしそうなのだが、この日筆者は、お寺の背後にある「玉乃屋」さんに入った。
ここはネットでもおいしいと書かれていたのと、何よりおばさんが呼び込みがうまい(笑)。

注文したのは、胡麻のおつゆでいただく冷たいおそば。(胡麻そば?だったかな…)
こういうそばは初めてだったが、濃厚な胡麻のつゆと太めの田舎風そばが馴染んで旨い。
gomasoba.JPG
ここでは、屋外にあるテーブルで、蕎麦打ちを見ながら、日本酒とともにいただくのが粋だ。
(鉄道の旅ならでは。)


そばを満喫したら、お参りに行こう。

実は、あまり知られていないが、ここには貴重な仏像がある。
白鳳時代(奈良時代)の釈迦如来像(重要文化財)があるのだ。

関東で、こんなに古く、また美しい仏像は他にはない。(重要文化財の仏像など、博物館以外で見られることはほとんどない。)
そしてその姿もめずらしい。立っておらず、また座禅しているわけでもない。どんな仏像かは、行って見てのお楽しみ。お連れの人と、美術談義、歴史談義してみると、株が上がるかも。

もう一つ面白い仏像がある。そば守観音。さすが蕎麦どころ。写真を載せておくので、境内を探してみよう。
sobamori.JPG

さて、小腹がすいたところで、お楽しみのおやつ。
参道にもどってお店をぶらぶらしてみよう。

木が生い茂り日陰も多いので歩くのも楽である。目当てのものをパクパク食べながらお土産を物色する。
自宅用のお土産ならそばが定番だ。(近所のスーパーでも売っているかもしれないが)「深大寺そば」を買って帰ろう。また、焼きせんべいを包んでもらって帰るのも楽しい。


深大寺を散策した後もまだ遊び足りない人は、京王線を使って新宿に出るのが一番近い。
昼間緑の中で過ごすと、新宿での食事もまた新鮮に感じられるから不思議だ。


いかがでしたか?夫婦や家族連れだけでなく、デートにも使えるのでは。
夏休みや、9月の連休などに一度足を運んでみてはいかがでしょう。

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 13:12 | Comment(22) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

就職前の鉄道会社分析(1)

この時期、企業は中間決算のシーズンを迎える。

決算資料は、就職先の会社を知る貴重な資料にもなるので、今回はこれらをもとに会社比較をしてみよう。

※最新の中間決算ではなく、昨年度の年度末決算を取り上げる。
(この記事は2005年11月に書きました)

まずは売上高。関係会社を含めた1年間の売上である。

 売上高(百万円)連結
  JR東日本 2,537,480 *************************
  JR東海_ 1,409,497 **************
  JR西日本 1,220,847 ************
  近鉄__ 1,106,324 ***********
  名鉄__  790,828 ********
  東武鉄道  637,364 ******

  日本航空 2,129,876 *********************
  全日空_ 1,292,813 *************

「会社の大きさ」を示す数字はいくつかあるが、これがその典型。これがないと事業は始まらない。

数字を比較してみると、同じJRでも東日本が西日本の倍、東海の1.8倍で、圧倒的な差がある。東海と東日本は同じような会社という印象があるが、実態は異なる。
さらに、航空各社と比べても、JR東日本の大きさは際立っている。

ちなみに、私鉄でも近鉄はJR西日本と肩をならべる。旧国鉄の威光で「JR」というと大きく見えるが、近鉄だけは肉薄している。

 経常利益(百万円)連結
  JR東日本 212,339 *********************
  JR東海_ 142,396 **************
  JR西日本  95,933 **********
  近鉄__  43,638 *****
  名鉄__  28,543 ***
  東武鉄道  27,532 ***

  日本航空  69,805 *******
  全日空_  65,224 *******

そして経常利益。これは文字通り「利益」だが、地震による被害のような特別な要因は排除してある。

売上高と比べて特徴的なのは、JR東海と東日本の差が縮まっていることと、民鉄、航空各社とJR各社の差が開いていること。

 売上高経常利益率
  JR東日本  8.4% ********
  JR東海_ 10.1% **********
  JR西日本  7.9% ********
  近鉄__  5.9% ******
  名鉄__  3.6% ****
  東武鉄道  4.3% ****

  日本航空  3.3% ***
  全日空_  5.0% *****

経常利益を売上高で割ってみると良く分かる。JR東海の利益率が高く、また総じてJR各社は利益率が高い。
鉄道関連事業が多い会社は、売上は大きくなるが利益率が下がり、鉄道事業でもローカルが多いと利益率が下がる。

利益率が低いということは、頑張って同じように売上を上げても、他より実入りが少なく、株主としてはうまみが少なく、事業の安全性も低いことになる。

さらに詳細な分析は、次回にゆずることにしよう。

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

就職前の鉄道会社分析(2)

(前回まで)
売上はJR東日本がJR東海の1.8倍もあり圧倒的だが、売上高利益率はJR東海の高さが際立っていた。
http://railman.seesaa.net/article/9006630.html


同じJRの中でもJR東海の利益率が高いのは、新幹線の割合が高いためだと思われる。

 新幹線割合(km)
  JR東日本 6,474 1,053 14% ***********++
  JR東海_ 1,425  553 28% **+
  JR西日本 4,388  664 13% ********+
  近鉄__  574         *
  名鉄__  445         *
  東武鉄道  463         *
 ※左の数字は在来線、右が新幹線

JR東海は(路線距離を基準に)約3割が新幹線で、割合からいうとJR東日本やJR西日本の倍になる。
ちなみに、鉄道の距離数はJR東日本がJR東海の3.8倍。そういう意味ではJR東海は小さい。

 鉄道1kmあたりの売上(百万円)
  JR東日本  337 ***
  JR東海_  713 *******
  JR西日本  242 **
  近鉄__ 1,928 *******************
  名鉄__ 1,776 ******************
  東武鉄道 1,377 **************

 鉄道1kmあたりの経常利益(百万円)
  JR東日本  28.2 ***
  JR東海_  72.0 *******
  JR西日本  19.0 **
  近鉄__  114.6 ***********
  名鉄__  64.1 ******
  東武鉄道  59.5 ******

鉄道1kmあたりの売上、経常利益を見てみても、JR東海がJR東日本の倍以上で、赤字路線が少ない筋肉質な体質であることが伺える。
(ちなみに民鉄各社は、関連事業が大きいためこれらの数字が大きい。)

東京圏をもらう代わりに、赤字路線の多い東北エリアを背負ったJR東日本。
売上高は高いが利益率は低い。
東京圏はもらえなかったけど、東海道新幹線をもらい、ローカルも少ないJR東海。売上高は低くても利益率は高い。

これら2社と比べ、JR西日本は苦しい。
東京からの移動では、広島以西は飛行機に負けてしまい、関西の在来線は私鉄との競争が厳しい。鉄道1kmが生み出す利益は、他社に比べて圧倒的に少ない。

最後に、社員一人当たりの売上高、経常利益を見てみよう。

 社員一人当たりの売上高(百万円)
  JR東日本  33.9 **********
  JR東海_  60.4 ******************
  JR西日本  28.3 ********
  近鉄__  39.9 ************
  名鉄__  21.1 ******
  東武鉄道  30.1 *********

 社員一人当たりの経常利益(百万円)
  JR東日本  2.83 *********
  JR東海_  6.10 ******************
  JR西日本  2.22 *******
  近鉄__  1.57 *****
  名鉄__  0.76 ***
  東武鉄道  1.30 ****

これもJR東海がJR東日本、西日本の約2倍になった。一般に、社員一人当たりの経常利益が高ければ、社員の給料を上げる余地が大きい。
単純に比較できないが、参考までに社員の平均年齢と平均年収を記すと、JR東日本(42.9歳、682万円)、JR東海(40.0歳、721万円)、JR西日本(42.0歳、716万円)になっている。


筆者自身も、このような会社比較をしてみて驚いた。同じJRでも、思った以上に状況は異なる。これから就職する人は、ぜひ参考にしてもらいたい。



  「鉄道業界の舞台裏」が書籍化



 まずは、鉄道業界の実態を知りましょう。

 『社名は絶対明かせない 鉄道業界のウラ話』

  【目次】

  第1章 事件ばかりの鉄道の現場

  第2章 タブーだらけの鉄道の管理部門

  第3章 複雑怪奇な鉄道の人間模様


posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 21:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

内定へのスペシャル切符

先日、日経新聞で大学生の就職人気企業ランキングが発表された。相変わらず鉄道会社の人気は高い。

余談を語らせてもらうと、大学生の人気というのも当てにならない。
いい会社であっても下位に入ったり、社内の内紛が絶えない会社や、法令順守ができていない会社でも上位に入る。

そのため筆者は馬鹿にしていたのだが、あれは企業のブランドイメージを計るバロメータとして見るべきなのだそうだ。

そう考えると、確かに納得できる。
鉄道会社などの公共運輸系は、「金儲けより、世のため人のための仕事をしている」といういいイメージがあるし、環境にも優しい。
(舞台裏は、世間の人が知らないような汚泥が渦巻いているのだが。)

学問の世界から飛び出す学生は、こういうイメージに弱いのではないだろうか。


話を戻そう。
ランキング上位に入るような鉄道会社では、当然内定を取るのは困難である。
学校の成績が優秀であったり、就職面接が得意であっても、運がなければ入れない。
(実際、個人の素質、実力だけではなく、色々なバランスを考えて採用は行われている。学校の入学試験とは違うのだ。)

しかし、実際には「スペシャル切符」を片手に難なく入ってくる人も少なくない。

それが、いわゆる「コネ」である。
この業界には、親がその会社に勤めているという2世、3世が多く、コネがどれほど有力かを物語る。

(そういう人たちを「鉄道一家」と呼ぶ。)


これには、雇う側、雇われる側の双方に理由がある。

雇う側からすれば、親族が社内にいる人は、身分保証書つきの人材になる。
鉄道の世界では、「建前上は義務ではないが、事実上の義務」というのがたくさんあり、それらを遵守してくれる社員でないと困るのだ。

例えば、

「法律上、どこの組合に所属するかは自由だが、事実上、会社の第一組合に所属することが義務付けられている。」

というようなもの。
こういう話は枚挙にいとまがない。(他の例は別の機会に紹介しよう。)

「コネで入ってくる人は、コネをつけた人の体面もあるので、間違った行動はしないだろう。」

という安心があるのだ。


雇われる側からしても、田舎では、警察、消防、役所、鉄道は希少な就職先である。またこういうところに勤めていると、地元でステータスになるのだ。
また、田舎でなくても、内実を知らない子供は就職を希望する。

これが、家業でもないのに、親と同じ道をたどる動機になる。


就職活動中の諸君、就職雑誌を見て就職倍率を計算するのに、

 就職倍率 = 内定者数 / 志望者数

では求まらない。

 就職倍率 = (内定者数 − コネ入社数) / (志望者数 − コネ入社数)

になるのだ。

表面に現れている就職倍率もすごいが、実際はもっとすごい。


頭のいい人ならば、「面接の達人」だの、SPIの本を買いに走る前に、親類縁者がコネを持っていないかを探る。

鉄道というのは社員が異常に多い労働集約産業。探ってみると、結構関係者とつながる。
親類縁者、親類縁者の友人知人。あなたの周りにも、探せばコネは見つかるはずである。



鉄道業界を目指す就活生に捧げます

社名は絶対明かせない 鉄道業界のウラ話



posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 22:41 | Comment(35) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鉄道志望者向け常識クイズ

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 22:53 | Comment(11) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

適職診断の解説 転職・独立

「鉄道業界の舞台裏」のHPで、圧倒的に人気があるのが「適職診断」である。
http://railman.seesaa.net/article/5139438.html

「適職診断」を開設して約1年。ここで各設問の解説をしていこう。

 1.転職する可能性がある
    (はい、どちらとも言えない、いいえ)
 3.チャンスがあれば独立したい
    (はい、どちらとも言えない、いいえ)

筆者は、あまり素性は明かしたくないのだが、技術系の学部を卒業している。自分で言うのもおかしいが、大学は一流である。

就職は、氷河期と言われた時期だが苦労はなかった。技術系(理工系)は勉強が大変なだけに就職は楽なのだ。
(鉄道会社への就職が簡単だったと言うわけではない。あれはくじに当たったようなもの。逆に鉄道に就職できなくても、拾ってくれるメーカーはたくさんあった。)

鉄道会社も、どちらかというと技術系の会社になる。(特にJRはそうだ。)
技術系の採用枠の方が大きいし、総合職では超一流大学の院卒を大量に採用する。
筆者も、この採用状況や、新幹線の技術力の高さなどから、たとえメーカーではないにしても、何らかの技術力が社内にあると信じていた。

しかし、実際に働いてみると、高い技術力などというものは社内にはないことがわかった。

 「優しいだけでは勤まらない」
 http://railman.seesaa.net/article/6535319.html

筆者は、鉄道会社を約4年勤めて退職するのだが、そのときにも、鉄道会社の技術力を別の形で知ることになった。
鉄道会社の4年間というのが、転職市場ではまったく評価されないのである。
筆者の勤めた鉄道会社はビッグネームで、就職するのも大変なところである。このネームバリューが少しはいかせるかと思ったが、まったく期待を裏切られた。

就職の時には、中堅以下の企業が手もみしてきたくらいなのだが、4年鉄道会社で過ごした後だと、振り向きもしない。

鉄道の中でも、筆者は技術系の王道を歩んできた。(技術系で採用されても、人事などの仕事などをする人は少なくない。)

 「労働組合の基礎知識(1)」
 http://railman.seesaa.net/article/4288482.html

それでも、そのキャリアがまったく評価されない。それどころか、むしろ転職にはマイナスとなる。

大学を卒業して1、2年の人を「第2新卒」枠で採用する企業があるが、鉄道で4年過ごした人を採用したがる企業はない。

転職というのは、やはり手に職がついている人が有利なのである。

筆者が転職する数年前、プラントや建設関係が危機を迎え、転職する人、せざるを得ない人たちが転職市場に流れ込んできた。
そのとき、意外にも、大手に勤める人が転職しにくい現象が見られた。

大手の人は、技術系とはいえ図面を書くことはない。手に職というより、マネージメントがメインである。
マネージメントの方が仕事としては高給だが、転職には弱い。
また、事業部門でプロジェクトマネージメントをしているならまだいいが、社内で力が強い、人事、幹部職の人ほど、転職しにくい。結局、その会社でしか通用しないキャリアなのである。

鉄道も同じである。技術系でも、社内でしか通用しない業務ばかりなので、転職のとき、キャリアがかえって足枷になる。同じく、独立起業するにも(関連事業なら別だが)鉄道事業の経験がいきることはまずない。

鉄道は、業界内で人材が動くこともない。
定年まで勤める自信がない人は、足を踏み入れない方がいい。

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 22:51 | Comment(12) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

辞める理由

読者から、

「鉄道会社って辞める人が多いのですか?」

という質問をたまに受ける。

人事統計データを見ていないので正確なことはいえないが、大卒総合職で、入社5年までで2割弱が辞めているのではないだろうか。

日本では、大学新卒が3年で3割が退職するそうなので、それから比較すればかなり少ない。
ただ、鉄道の離職率をどう判断するかは、難しいだろう。

そもそも鉄道に入社するような人は、人生に対して保守的な人である。
IT系ベンチャー企業に入社する人、外資系企業に入社する人、コンサルティング会社に入社するような人とは根本的に性質が異なる。
後者は自分のキャリアパスに主眼を置き、会社は成長するための土台と考え、会社への執着が薄い。
前者は、安定性も含め、会社に魅力を感じて集まっている人たちである。
普通ならば会社を辞めることはない。

大量採用した後に大量退職させ、人材をふるいにかけるような大企業もある中、それらを十把一絡げに平均すれば、大学新卒の離職率は3年で3割。
鉄道の離職率を、この数字と比較するだけでは実態を見失う。


大卒総合職が鉄道を去る理由はなんだろう。それは、以下の業界特有の事情が大きい。

 1.異常な力をもつ労働組合と会社、その巨大な二本の柱が落とす不合理な暗い影。
 2.先端企業を標榜するが、頭脳を使う場面が乏しく、やりがいを見失う仕事内容。
 3.内向きの会社で、社内の政治性、人間的なストレスに疲弊する

この3つは今までにも十分書いているので詳細は省くが、これらが離職率を高めているのが実態だ。


しかし、鉄道に昔からいる社員には、身近で離職していく若者が理解できない。
鉄道の実情を若者より良く知り、鉄道が世間で言われるような働きやすいところではないことを知り抜いているはずのベテランが、若者の退職を理解でない。

筆者の場合も

「実は、転職することにしたんですよ。」

と職場で打ち明けたとき、

「転勤するの?」

「いえ、会社を辞めるんですよ。」

「出向?」

「そうではなくて・・・」

と理解されなくて困ったことが何度かあった。

この業界特有の3つの事情にしても、何も最近始まったことではない。むしろ、1、3については、昔の方がもっとひどい。現場が荒廃し、秩序が失われていた時代もあったぐらいだ。
しかし、昔は「会社を辞める人」というのはほとんどいなかった。
鉄道に入ったまじめな青年が、荒廃した職場に幻滅し、悩んだとしても、「辞める」という選択肢はなかった。

この辺について、『若者はなぜ3年で辞めるのか』で城繁幸氏が論じている。
「日本における転職市場は、一九九〇年代後半から一〇倍近くに成長した」
(『若者はなぜ3年で辞めるのか』)

どこの会社も年功序列、新卒一括採用以外の雇用がなかったバブル崩壊以前、つまり80年代以前は、会社を辞めても、他の会社が雇ってくれるわけでもなく、転職という選択肢はなかった。

現在は、「鉄道のキャリアが転職に役立たない」という苦労はあるが、若ければ転職は難しくない。
「適職診断の解説 転職・独立」
http://railman.seesaa.net/article/21678640.html

転職の仲介会社にエントリー登録するだけで、次々求人を紹介される。その部分だけを見れば、働く側は企業を選ぶ自由を手に入れ、働く環境が良くない会社は人材を確保できなくなるという、「労働市場」が発生し、自由化された。・・・いいことばかりではないのだが。)

つまり、ここ十年で初めて、鉄道業界の負の側面が人材の流出という事態を招き始めたのだ。

現在起きている人材の流出を始め、鉄道の要員計画の諸問題については、次回以降考えていこう。



   おすすめ本



 
 

posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 22:32 | Comment(14) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

これからの活動と今回のGW

私は10連休でした。

やったことは2つ。

出版企画の練り直しと、今後の活動についての検討です。


結果は、出版企画の方は再提出できました。

鉄道事故も盛り込みましたが、分量は1/3に減らし、もっと「盛りだくさん」なものにしました。

じっくり事故のことを書きたいと思っていましたが、「ボツ」になりましたし、

「色々なテーマをじっくり書けば面白いかなぁー」

と思い、練り直しました。


一方、今後の新しい活動は決まりませんでした。


今までの活動を振り返ると、

「鉄道業界の舞台裏」は、

「就職先として人気のある鉄道会社だが、実態を知らないで就職する人が多い。」

と痛切に感じて、

「これを知らせて、就職のアンマッチを減らしたい」

との強い思いを持って始めました。

おかげさまで、「鉄道業界のウラ話」として出版することができました。
http://amzn.to/YzooLn
http://amzn.to/YzoyT1


それとは別に、富山に出張したときの経験で、

「新幹線と特急の表形式の時刻表が必要!」
(出張者には便利、というか私自身が欲しかった)

との思いがあって、「富山駅」というサイトを、プログラムをゴリゴリ書いて作りました。
http://www.noritsugi.net/toyama.html
(ある程度のアクセスはあるが、イマイチな状態。)


そして、鉄道事故を上から目線ではなく、「我々が当事者だったら」という同じ目線で、「失敗」の追体験をしてもらいたい。

また、ここ2年のライター仕事で知った鉄道ネタ(日の目を見なかったネタ)を「伝えたい」という思いが、今回、出版企画をチャレンジしようという原動力になっています。

(鉄道事故については、「鉄道業界の舞台裏」でも、一部紹介しました。)


それぞれ、数年という長い年月がかかりました。


では、これから何をすべきか?何に情熱を注ぐか?

出版企画の結果が出るまで、模索していきます。
posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 21:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『JR「鉄道一家」が跋扈する特殊コネ事情』

芸能人、政治家、スポーツ選手のスキャンダルを取り上げるのが週刊誌ならば、企業や経営者のスキャンダルを取り上げるのがZAITENという雑誌である。

例えば、最近、創業家と現経営陣とのお家騒動に揺れている大戸屋などは、ZAITENが取り上げるネタの一つだ。

今月号(2016年9月号)は、『「コネ入社」の罪と罰』を特集している。
その中で、『JR「鉄道一家」が跋扈する特殊コネ事情』という記事があるので紹介したい。

これは、私も取材協力したのだが、鉄道業界のコネ入社の裏事情を浮き彫りにしたものである。
再来年入社の就職活動が動き出すこの時期、就活生にはぜひ読んでもらいたい。



ZAITENは、学生や主婦などには縁がないだろうが、知る人ぞ知る、創刊60周年の老舗雑誌である。

その内容の際どさは、下記の目次を見ると明らかだろう。
これだけスキャンダラスな内容なのに、企業の広告が多いのが不思議である。

この号では日立製作所も取り上げている。
鉄道事業のグローバル化で注目される日立製作所だが、もちろんZITENはスキャンダラスに取り上げる。


ZAITEN 2016年9月号

【総力特集】
日本企業「コネ入社」の罪と罰
――あるいは、「フジテレビ化」 する日本企業の病理

■「コネ採用」横行が招く日本企業の衰退

■世襲が招く“教育格差”が日本を亡ぼす

■フジテレビ日枝会長が築いた「縁故王国」の命脈

■電通vs.博報堂「コネ採用」人質ビジネスの実態

■取引銀行・企業に“腰掛入社”する「オーナー企業」御曹司・令嬢たち

■凋落する「霞が関」から子女を引き上げる高級官僚たち

■松下政経塾「反・世襲議員」の挫折

■創価学会 自給自足のコネクションで失われた「教勢拡大」の力

■JR「鉄道一家」が跋扈する特殊コネ事情

■中国「コネなし名門大学生」の悲しき未来


【第2特集】
みずほ佐藤社長の「ラストスパート」

■PART1 佐藤社長が入れ揚げる「お寒いフィンテック狂騒曲」

■PART2 “平穏総会”を切り裂く個人株主提案「48%賛成」の衝撃

■PART3 佐藤社長が力む「サラ金ビジネス」参入の勝算

■PART4 「Oneみずほ」推進に衝撃の賠償命令


【企業】
■キヤノン「東芝メディカル買収」に御手洗会長の因果

■日立製作所“驕る中西会長”が嵌った「英国原発」の泥沼

■帝人「製薬部門法令違反」の陰に“覇気なき経営者”

■DOWAホールディングス“独裁者”山田社長の「恐怖政治」に社内沈黙

■三井金属 仙田社長退任に81歳「人斬り相談役」の影

■シダックス「カラオケ事業」譲渡に気になるビジネスパートナー

■今治造船、佐藤食品…「銀座」不動産を買い漁る“田舎企業”

■東急不動産「心斎橋攻略」にナニワの風当たり

《連載・没落の創業家》
■クラレ・大原家

【金融】
■黒田日銀vs.平野・三菱UFJ 金融界揺さぶる「醜悪バトル」

■MUFG「ピーターラビット」 か 「寄付」 しか選べない株主優待

【広報・企業対応】
■JAL「酒乱パイロット逮捕」の危険すぎる安全体制

《連載・素朴な疑問なんですが…》
■大正製薬
勘違いさせる健康食品のキャッチコピー

《余計なお世話なんですが…》
■エイベックス
「カラオケボイスドリンク」本当にプロの歌手が飲んでいる?

《連載・クレーマーズレポート》
■JTB
「個人情報流出の可能性」発表後の顧客向け意味不明メール

《あきれた「広報実話」》
■JTB 広報室

■銀座ルノアール「上場企業」とは思えない昭和な広報対応


【マスコミ】
■日本テレビ株主総会で噴出「ナベツネ社外取締役」への引退勧告

■テレビ朝日と番組審議委員の不適切な関係

■朝日新聞出版「不可解人事」の裏事情

【社会・国際】
■「埼玉県保険医協会」で内紛 新旧執行部が泥沼の訴訟合戦

■「プーチンを篭絡せよ」ロシアビジネスの知られざる極意

■気鋭の倫理学者が語る「日本に蔓延る”違和感”の正体」

■なぜ歌舞伎町では“ぼったくり”がなくならないのか

■安倍政権の政策では「日本消滅」は回避できない


【ゴルフ】
■ISPS半田晴久会長インタビュー
「プロアマ大会欠場プロは本戦資格を剥奪する!」

■青木功会長就任でも変わらない男子プロゴルファーのスポンサー軽視

■JGAの”インチキ”ハンデに外国人の嘲笑

■九州の名門 「古賀ゴルフ・クラブ」の狭すぎる風呂場

《連載・人気ゴルフ場「辛口スコア」》
■東筑波カントリークラブ

《新連載「ゴルフ飯」》
■小樽カントリー倶楽部旧コースの「かねひろジンギスカン」


【連載】
■巻頭連載・あの人の自宅
三菱東京UFJ銀行 小山田隆頭取

■マッド・アマノのパロディ連載「今月のWHO ARE YOU?」
JAL植木社長と大西会長「酒乱中につき運行休止!」

■霞が関「官僚人名録」

■米国人記者J.アデルシュタインが見たニッポンの非常識
外国人記者から見た参院選のつまらなさ

■斉藤貴男の「ああみっともない」
永田町に今も居座る小沢一郎



以上
posted by 鉄道業界舞台裏の目撃者 at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道会社への就職・その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする